ここ数年、この7月のSUGO選手権は翌8月の全日本SUGOの前哨戦という位置づけになっていて、バリバリの全日本ライダーも調整をかねてエントリーしてくる楽しみなレースです。 しかし今年はその傾向に拍車がかかり、エントリー台数25台のうち、全日本フルエントリーライダーが全部で11名。 しかも今シーズン全日本で全勝街道まっしぐらの横江選手、世界GP帰りの宇井選手など、本物中の本物ライダーの参戦もあり雰囲気は完全に全日本選手権と化しています。 このレースでどこまで食い込めるか??? 決勝レースでこのあたりの全日本レギュラーライダーが目の前にいたら絶対に喰らいついていってやる! そんな感じのテンションMAXでレースウィークを迎えることになります。 <6月30日 練習走行> 約7ヶ月ぶりのSUGO。 まずは昨年一度あきらめた軽量フロントブレーキディスクを装着してコースインします。 今シーズン筑波ではずっとこの軽量ディスクで走ってきたので、もういいかげんこの軽いフィーリングにも慣れただろう・・・と思いきや、やっぱりダメです。 やはり切り返しなどでフィーリングに違和感を感じ、まったく攻めることができず、ベストタイムは1分36秒659にとどまります。 2本目はディスクをスタンダードに戻してベストタイムが1分35秒358。 自己ベストの0.5秒落ちくらいなので、まあまあと言えばまあまあなのですが、初日から1分34秒台でぐるぐる回るつもりで来ていたので、とても浮かれた心境にはなれません。 <7月1日 公式練習> まあ、初日に自己ベストの0,5秒落ちまで持って来れていてるので、いくらなんでもこの日は自己ベスト付近の1分34秒台で走れるだろう・・・という感じだったのですが・・・・。 まずバイクの調子がいまいちな感じです。 2速から3速にシフトアップしていくところでシフトが入らないいわゆる「ギア抜け」の現象がかなりの頻度で発生します。 1本目はなかなかクリアラップが取れず1分35秒台になんとか入れました・・・というレベル。 とりあえずこのままではヤバいので新品タイヤを投入して2本目の走行に臨みますが、この走行は5周目にシケインで遅いライダーを抜きにかかったところで、そのライダーと接触。 転倒は免れたものの、接触の衝撃で左側のステップが折れてしまって走行終了です。 このままでは終われないので、もともと走る予定ではなかった3本目にコースイン。 仲間には「全開120%の走り」を宣言して思いっきりコースを攻めます。 ・・・が、やはり「ギア抜け」が頻発します。 転倒覚悟で思いっきり攻めているのに、この「ギア抜け」一発でその周すべてが水の泡になってしまい、そのショックがライダーの集中力を奪っていきます。 この走行のベストタイムは結局1分35秒324。 「ギア抜け」の影響がどのくらいなのかはわかりませんが、昨日からほとんどタイムを更新できずに明日の本番を迎えることになってしまいました。 ちなみに周りの全日本レギュラー組は???というと、目下全日本ランキング1位の横江選手はさておき、中堅どころのライダーたちも軒並み1分34秒前半から33秒台まで入れてきている情報もあり、苦しい戦いを強いられそうな感じです。 <7月2日 予選・決勝> メンバー的にはものすごい盛り上がりを見せている今回のレースですが、基本的には梅雨の終わりに開催されるレースです。 昨日までなんとか持った天気も、この日は完全に崩れ朝からしっかりと雨が降ってしまいました。 できれば「ドライコンディションで全日本レギュラーライダーたちと思いっきりレースをしたい」という気持ちもありましたが、自分の場合は5月の全日本筑波の雨の予選で予選落ちという苦い経験もあるため、ここでレインコンディションの練習ができるというも非常に有意義なことです。 今回はダンロップの新しいレインタイヤを試してみることにしました。 【予選】 雨のSUGOを走るのは2年ぶりです。 その時の自分のベストタイムが1分57秒台。 その時の優勝ライダーと2位のライダーのタイムが1分50秒台。 このあたりを基準にしてタイムアタックを開始します。 とにかくすぐに転倒してしまっては練習にならないので、ゆっくりゆっくり慎重にペースを上げていきます。 まあタイヤが変わっても苦手な雨には変わりなく、なかなか攻めきるところまではいきませんが、なんとか最終的に自分ベストタイムとほぼ同じ1分57秒台で予選を終了、正式順位は15位となりました。 ポールは横江選手が1分45秒912でダントツという感じですが、その後宇井選手の1分49秒台、さら50秒台が2名いるという状況。 要するに1分50秒周辺がすごい人たちのレベルというわけで、決勝はその辺を頭に入れてしっかりと攻めていくつもりです。 【決勝】 自分は雨のレースでは、ヘルメットの曇り対策として、自分の鼻から口にかけてガムテープを張って、自分の吐く息がヘルメットの内部にこもらないようにします。 いつもやっているガムテープなのですが、この日はなぜかスタート前のサイティングラップで、そのガムテープが邪魔になってちょっと呼吸がしずらい感じがあったのですが、あまり気もとめずグリッド上で軽く調整してスタートを待つことになります。 スタートは完全に失敗。 チームの後輩2人に前に出られて、しかも自分が別のライダーに引っかかっている間にその後輩たちがどんどん逃げていくではありませんか・・・。 「これはまずい!まだまだ君たちに負けるわけにはいかないのだよ!!!」 これで完全にスイッチが入りました。 とりあえず自分が今引っかかっているライダーをなんとかやっつけ、その後輩たちの追撃を開始します。 「雨でもいける!!!」 はるか昔、7年前の1999年に1回だけ感じたことのある「雨でもいける感」が長い年月を超えて今ここに蘇ってきました。 コーナーでは膝が擦れるし、立ち上がりもガンガンアクセルを開けていける。 ところがです・・・。 サイティングラップでちょっと気になった口元のガムテープ。 スタート直後も軽く気にはなっていたのですが、それが周回を重ね、自分の呼吸がどんどん荒くなるにつれて深刻な事態になりつつあったのです。 「いっ、息が・・・で・き・な・い・・・・」 深刻なポイントはバックストレートとホームストレートエンド。 なぜだかこの2箇所でガムテープが自分の口に吸い付いてきて、全く息が吸えない状態に陥るのです。 息ができない時間はおそらく長くて5秒程度。 なんとかごまかしながら走行を続けていましたが、先ほどの後輩たちに追いつき、彼らをやっつけて前に出たところで、もう完全に限界。 そのままの勢いで猛然とピットロードにもどりリタイヤを覚悟しますが、ピットロードに戻ってきて、口の周りのガムテープを剥ぎ取って「やれやれ」と思っていると、残り6周の表示が目に入ります。 「おっ、まだ6周もあるのか!!!ちょうどいい感じで乗れてきたしもうちょっと行ってみるか!!!」 この時点での自分のタイムは1分53秒台。 「ストレートエンドの呼吸困難がなくなればもっといける!」 「こうなりゃ維持でも50秒切ってやる!」 再度コースインして再び雨のSUGOを走りはじめます。 最初の周で1分51秒台。 「まだまだいける!」 と頑張ったのですが、そこから2周続けて51秒台で足踏み状態となり、最終ラップには1分50秒334をマークしますがそこでチェッカー。 「まあ途中息ができなくなるという事件はあったけど、予選のときの「すごい人たち」レベルの1分50秒台がでたから上出来かな!!!」 とそこそこ満足してレースを終えたのですが、やはり世の中そんなに甘くはないようです。 その「すごい人たち」も決勝では、自分が上げてきたタイム分くらい上げてきていて、トップの横江選手は圧巻の1分39秒台、そこから43秒台が2名、44秒台が1名・・・といった感じで、簡単には近くに行かせてもらえないようです。 その「すごい人たち」との勝負は来月8月の全日本までお預けです。 ・・・NEXT・・・ Copyright (C) 2000 駒津歯科医院 All rights reserved. |