【11月4日 練習走行】 惨敗の筑波選手権の2週間後、舞台はSUGOに移ります。 SUGOといえば、前回の全日本で悔しい思いをしたコースです。 全日本前の走行チャンスがことごとく雨で潰され、試したいミッションプランを公式予選ぶっつけ本番でトライするもそれが大失敗。 このミッションを元に戻した決勝当日のフリー走行ではあっさりと1分34秒台の自己ベスト更新するも、すでに決勝グリッドは決定していて後の祭り。 決勝レースはスタートに失敗して不発に終わるという展開でした。 その悔しさを晴らすレースが今回です。 11月とは思えないほどの絶好のコンディションで迎えた今回のレースウィーク。 1本目の走行は、思惑を外して1分37秒台と大きく低迷します。 コーナーでの切り返しなどでバイクが軽すぎて、加減がとりづらく、結果として思い切ったライディングができない感じです。 これは思い当たる節があります。 全日本鈴鹿から投入した軽量のブレーキディスクが影響しているものと思われます。 2本目の走行では、このブレーキディスクをスタンダードディスクに変更してコースイン。 切り返しの感覚がなじみのものになり、あっさりと1分35秒台中盤をマーク。 初日としてはまあまあの滑り出しといったところです。 それにしても、1本目不発の原因となったブレーキディスクですが、重量にしてたった400g程度の違いしかないのに、ここまでバイクの操安に影響がでるとは驚きです。 本来であれば切り返しが軽いということは武器になるのですが、この操安に慣れるにはもう少し時間が必要そうです。 今回のレースだけではそんな時間もないのでスタンダードディスクに戻してレースウィークを戦うことにします。 【11月5日 公式練習】 事前の天気予報では、この日あたりから天気の崩れがありそう・・・とのことでしたが、空は雲ひとつない快晴で最高のコンディションです。 この日の走行予定は2回。 今回のレースの狙いはずばり1分33秒台。 そのためにはこの日のうちに最低でも1分34秒台には入れておきたいところです。 今日はそのためにレースの神様が最高のコンディションをお膳立てしてくれています。 それを無駄にしないためにも新品タイヤを投入して、はやる気持ちを抑えながら走行時間を待ちます。 ところが走行開始まで1時間を切ったところで、JSBクラスがコース上にオイルを撒き散らして赤旗中断のアナウンスが流れます。 最悪です。 1年に1度あるかないかのベストコンディションが、一転してタイムアタック不可能な最悪のコンディションに変わってしまうわけです。 とりあえず1本目のタイムアタックは断念。 タイヤウォーマーで完璧に温度を上げておいた新品タイヤの投入を見送り、あわてて中古タイヤが装着されているスペアホイールに交換します。 そしてまずこの日1本目の走行にコースイン。 問題のオイルが蒔かれた場所はホームストレートエンドから1コーナーまでで、それ以降の部分は全くのクリアです。 ただどのサーキットでも言えることですが、1コーナーというのは、その先の1周のリズムを決定する非常に重要なコーナーです。 ただオイル処理をしてから125ccの走行があったりしたので、自分たちが走るころにはオイル処理の跡も無くなり始めています。 もしかしたら問題なく、そのオイル処理の跡に乗っていけるかもしれない・・・とも思ったのですが、ここは慎重を期して、とりあえず1コーナーの進入だけはラインを外して走ります。 1コーナー以外はそれなりにがんばった走りでタイムは1分36秒台、オイル処理の影響がほとんどなくなるであろう2回目の走行に備えます。 2回目の走行は、先ほど投入を見送った新品タイヤを再投入してフルアタックです。 チームの小野君の後ろにつく形でコースイン。 このコースインの前から小野君とは「この走行はレース本番と全く同じテンションで走ろう」と話しをしていました。 その言葉どおり小野君は1周目からぐいぐいとペースを上げていきます。 小野君とは同じチーム・同じくクラスで走るようになってから今年で7年目という長い月日が流れていますが、決勝本番でスタートのうまい小野君とスタートのへたな自分は、決勝レースで近くでバトルした経験がほとんどありません。 スタートを失敗した自分が、遅いライダーを抜ききった頃にはいつも小野君の姿は遥か彼方です。 しかし、この瞬間は小野君と自分の間に邪魔者はいません。 今回のレース出場の重大な目標のひとつはこの小野君に勝つことでもあります。 もちろん本番の勝負は決勝レースなのですが、この練習はまさにその前哨戦。 小野君の後姿からはまさに決勝レースを走っているかのような気合が感じられます。 しかし絶対に離されるわけにはいきません。 2周目くらいに若干自分のほうがペースを上げるのが遅れて、その差はストレートで約50mといったところ。 真後ろに張り付きすぎてしまっては走りづらいので、このくらいが一緒に走っていて一番走りやすい間隔です。 2台とも序盤からほぼMAX100%の全開走行で、コースインして3周目には1分35秒中盤までタイムが上がります。 そこからは全くの等間隔。 4コーナーの進入からS字区間で若干離されそうになりますが、どこかでその遅れた分を挽回しているのか、1周まわってくると2台の間隔は前の周と全く同じです。 自分が得意だと思っている区間でもその差を一気に縮めるほどのアドバンテージはありません。 小野君も全く同じことをしています。 ただ自分が苦手だと思っている区間でも、思ったほど離される気配はありません。 自分が思っているほど駄目ではないのかもしれません。 2人は1分35秒中盤から前半というハイペースで周回を重ねます。 しかし結構なペースで走ってるつもりですが、当面の目標である1分34秒台には入りません。 「このペースで1分34秒台に入らないのかあ・・・きついなあ。全日本の朝フリーで1分34秒台出したときって、こんなに頑張ってたかなあ・・・」 そんなことが頭をよぎり始めたところで、小野君がシケインで遅いバイクに引っ掛かり、小野君との差が全くなくなります。 完全にテールtoノーズの状態となり、若干走りづらくなったので、ペースを一旦落として小野君とのランデブー走行を切り上げます。 コースを約半周ほどゆっくり走ってたっぷりとクリアラップが取れそうな場所を探します。 そしてシケインから全開で立ち上がって再度単独でタイムアタック。 先ほどまである意味小野君がペースを作ってくれていたのですが、いきなり単独になるといまいちペースが掴みきれない感じがします。 そのままそれなりに攻めて走りますが、ハイポイントコーナーで遅いライダーに絡みレコードラインを大きく外します。 この時点でこの周での自己ベスト更新断念ということになりますが、ある意味この周で1分35秒台をきっちり守れれば、その先の1分34秒台は見えてくるので、そのまま全力走行を続けます。 そしてこの周戻ってきて車載のストップウォッチをちらっと見ると、 「1分3-秒84」 「いやあ、やっぱりあそこ(ハイポイントコーナー)で引っ掛かっちゃったら35秒の後半かあ・・・、まあ取り立ててそれ以外の部分でも今まで以上のことをした感じはなかったからそんなもんだろうなあ・・・」 と妙に納得しかけたのですが、先ほどちらっと見たストップウォッチの表示が先ほどまで何度も見慣れた「35」という数字とはなんとなく違う数字だったような気がして、もう一度そのストップウォッチを覗いてみると、なんと1分35秒84ではなくて1分34秒84と表示されているではありませんか。 「えっ、今ので本当に34秒入ったの!!!」 ちょっとびっくりしてペースを落として一旦ピットロードに戻ります。 丁度1コーナー寄りのピットの上で嫁さんがタイムを計っていたので、ピットロードでバイクをゆっくり走らせながら嫁さんのほうに目をやると、両手で大きな丸を作って「やったね!」っていう感じの合図をくれています。 向こうの手元の計測でも入っていたのでしょう。 全日本の時にマークした1分34秒台よりをコンマ1秒ほど上回って自己ベスト更新です。 練習走行できっちり34秒を出しておく・・・一応今回のレース前に掲げていた目標は達成しました。 ほんとうは34秒台でぐるぐる周れるくらいで行きたかったのですが、まずまずの仕上がりといった感じです。 明日の本番、いよいよ33秒台への挑戦が始まります。 【11月6日 公式予選・決勝】 昨日までの暖かい陽気は一転して、この日のSUGOは一気に冷え込みました。 しかもGP250クラスの予選は朝の9時台からなので路面温度的には非常に厳しい状況となります。 気温は10℃を下回ります。 とりあえずライダーの調子は絶好調なので、この予選は無理をせずきっちりフロントローを確保できれば良しとします。 勝負はもう少し気温が上がってくるであろう昼の決勝レースです。 【公式予選】 とにかく路面温度が低いので慎重に慎重にペースアップをしていきます。 5周目で1分36秒台。 最後のタイムアタックを試みます。 とはいっても34秒台を目指す走りではありません。 フロントロー獲得を確実にする35秒台の中盤から前半をマークするためのタイムアタックです。 特別なことをするわけではなく、絶対安全マージンを確保しながらも、アクセルを開けるところはきっちりと開けていく・・・というタイムアタックで最後の仕上げのシケインに突入するのですが、このシケインですでにタイムアタックを終えスロー走行していたチーム員の油井君に引っ掛かりタイムをロスします。 そのままホームストレートに戻ってきたタイムが 1分35秒4 1コーナーにあるリーダーボード(電光掲示板)に目をやると、ゼッケン37番の掲示が「カチャッ」と3番手に繰り上がるのが見えました。 とりあえず最低目標のフロントロー確保には成功しました。 この予選のポールポジションは1分35秒1でチームメイトの小野君が獲得。 2番手は、これまたチームメイトの油井君。昨日までタイムが伸び悩んでいましたが、1分35秒4の好タイムで2番手ゲットです。 3番手が油井君から遅れること0.03秒で自分。 4番手がここ数年、SUGOで圧倒的な速さを見せてきた地元有力チームのK選手。 5番手がやはりチームメイトの二瓶君。 ということで予選上位5台中、4台が我々のチーム・SP-Vが占めることになりました。 【決勝】 期待に反して、朝一番の公式予選のときからほとんど気温の上昇がなく、決勝レース直前でも依然として気温は10℃前後という厳しい状況です。 太陽さえ姿を見せてくれれば、もう少し路面温度も上がるのでしょうが、残念ながら空は厚い雲に覆われています。 しかしそんな心配をよそに、スタート前進行が開始されます。 今回は予選と決勝の間の時間が短く、どたばたで決勝レースの準備をして、その準備が完了したのがスタート前進行開始の20分前くらい。 しかし、大きなトラブルもなく無事に決勝レースを迎えることができて、そんなささやかなことではありますが、レースの神様に心の中でお礼をしたりしてみます。 いよいよスタート前進行がはじまります。 まず最初のサイティングラップにコースイン。 路面温度は見るからに低そうですが、タイヤを暖める為に慎重にバイクを寝かしていくと 「ずずっ・・・」 右コーナーで路面と膝が擦る際に、いつもより引っ掛かるような変な感触があります。 「なんだ???今の???」 もう一度右コーナーで膝を擦ってみると、やっぱりいつもと違和感がある。 慌てて右手をハンドルから外し、右膝に手を当ててみると、 「・・・やっぱり・・・・」 なんと右側の膝に装着されているバンクセンサー(路面と接触する膝をプロテクトする樹脂製の部分)を落っことしています。 たわいもない部品ですが、これがないと思う存分コースを攻めることが出来ないという大事なものです。 「かっ、神様・・・!さっきお礼したばっかりなのに、いきなりこんな意地悪を・・・」 しかしある意味ラッキーです。 この1周戻ってグリッドのついた後、選手紹介の時間でスペアのバンクセンサーを付けられるからです。 この後のウォーミングアップラップで落としてしまってたらその時点でアウトでした。 グリッドについてバイクを仲間に預けるや否やあわててスペアのバンクセンサーを探しにピットに戻ります。 しかし右側のスペアはありません。 止む無く左側のスペアを装着。 しかし先ほど、本来の装着面を直接路面に擦り付けてしまったのでマジックテープの部分が擦り切れてしまってしっかり装着することができません。 とりあえずガムテープで簡単に補強しておきます。 なんとか間に合って、スタート前の最後のウォーミングアップラップに入ります。 ここでアクシデント発生。 このウォーミングアップラップに勢い良くトップで1コーナーに入っていったチームメイトの油井君が3コーナーで土煙を上げながら大転倒。 「うわっ、やっぱり路面温度上がってないんだ・・・」 レースに向けて高めてきた戦闘モードに、警告ランプがつきます。 油井君の様子が気になりながらも、こちらはスタート前の最終段階、先ほど装着した右側のバンクセンサーの感触を確かめます。 「ガガッ・・・」 応急的に左用を右側に装着しているので、路面とのあたり面が上手く出ていなくて、これはこれで引っ掛かる感じでよくありません。 しかもこれだけ引っ掛かる感じがあると、それこそレース中にもう一度落としてしまう可能性が大です。 レース中に落としたらその時点でアウトです。 どちらにしろ右膝と路面の接触に余計な神経を使わなくてはいけないことは確定してしまいました。 それはさておき、先ほどの油井君の転倒・・・。 ちょっとビビりましたが、良い方向に考えることにしました。 油井君が装着していたタイヤはブリジストンタイヤです。 それに対して自分はダンロップタイヤ。 まずは「タイヤが違うのだから自分は大丈夫!」と思うことにします。 そして今回の予選上位ライダー5名のうち、自分を除く4名のライダーはすべてブリジストンタイヤ。 っていうことは、油井君と同じタイヤを履いている他のライダーのほうがビビっているはずです。 これはこれでチャンスかもしれません。 そんなことがいろいろ頭を交錯しながら、いよいよレーススタート。 最近上手くいっているスタートですが、ここでもまずまず成功。 しかし後ろの列からチームメイトの二瓶君が並びかけてきます。 「路面温度が低い今回のようなレースで先頭に出てしまうのは不利。先ほどの油井君の転倒もあるしレース序盤はそれほどペースが上がらないだろうから、ちょっと後方で様子を見よう」 と、無理に二瓶君の前に出ることはあきらめます。 その結果、ポールの小野君、二瓶君、そして自分の順番で1コーナーに突入。 まずはSP-Vがワンツースリーで1コーナーを制します。 「まあ、序盤は様子見ながら・・・」 とばかりに、さして思い切り進入したわけではないのに、その先すぐの3コーナーでフロントタイヤが「すーっ」を切れ込んでいきます。 「うわーっ!転んだあ・・・」 と思われた場面でしたが、奇跡的に最悪の事態は免れ、バイクを立て直すことに成功します。 「さっき油井君もこれで逝っちゃったのかあ・・・こりゃ、やっぱりグリップしねーわ。とりあえず序盤は慎重にいこう・・・」 と思った矢先の4コーナーで、早くもトップの小野君と2番手二瓶君の間隔が開き始めています。 「やべっ!小野君、1周目から全開くれてる!!!」 路面温度が低いことや、先ほどの油井君の転倒などお構いなしでぐいぐいとその差を広げていきます。 「とにかく1周は我慢しよう。そこから全力で追い上げればいい!」 1周目が終わってトップの小野君との差は早くも2秒5まで拡がります。 ぼちぼちペースを上げていきたい2周目ですが、目の前を走る二瓶君のペースが上がらず1分37秒台。 これに対してトップの小野君は1分35秒台の中盤。 この段階で小野君とは4秒以上の差がついています。 3周目、そのままペースの上がらない二瓶君とそれを抜きあぐんでいる自分の2台を、後方からやってきたK選手が4コーナーとハイポイントコーナーで立て続けにパスしていきます。 4位に後退。 K選手に抜かれた際に、前の二瓶君との間に約1秒の間隔ができたのですが、その間隔を4周目で一気に詰めて1分35秒519。 この周は遥か前をいくトップの小野君も1分35秒590、トップのライダーとほぼ同じペースまで挽回したことになります。 5周目のS字立ち上がりで二瓶君に並びかけていきますが、ハイポイントコーナーでインを差し切れず断念。 しかしその先のバックストレートエンドで再度イン側から並びかけて、馬の瀬コーナーへのブレーキングでなんとかイン側にねじ込むことに成功します。 これで3位に浮上しますが、2位を行くK選手との差は約4秒。 残り6周で実力者のK選手に追いつくことは至難の業です。 とにかく今は前方がクリアになったコース上でベストの走りをすることに専念するしかありません。 「焦らず自分の走りをしよう。そうすれば自ずと34秒台には入ってくるだろう。34秒台に入ったらそこから一気に33秒台目指してペースアップだ!」 ところが思惑を外して、ここから6周目、7周目と立て続けにタイムは1分35秒中盤にとどまり、もうちょっと頑張った8周目のタイムも1分35秒384。 これでガクっときたのか、ここまで張り詰めてきた集中力が途切れ始めます。 走行中に集中力が切れると、次には疲労感が襲ってきます。 途切れそうな集中力をなんとかつなぎとめながら走るのですが、 「後ろの二瓶君は???ちぎれたのか?」 差し当たり後方にバイクがいる気配はありません。 先ほど抜く前までの二瓶君の走りを見る限り、先ほどまでの1分35秒台中盤の連続ラップで引き離せているような気もします。 何度も後ろを振り返ろうかとも思ったのですが、この時点で自分の体力は結構限界に近く、「振り返る」という余計な動作をする体力自体が残っていません。 そんな風に後ろが気になりだした時点で、もう集中力は完全にアウト、この11周目のタイムは1分36秒台まで落ち込みます。 11周目、最終シケインを立ち上がってラストラップに向かうホームストレート上。 「いくらなんでも落としすぎたか???それでも抜かれる気配がないのだから、後ろは離れているのかもしれない。でも、万が一ってことがあるしな。やっぱり念のため後ろを確認しておこう」 と、なけなしの体力を使って後ろを振り返ってみます。 「うわっ!いたっ!」 なっ、なんとびったり二瓶君が真後ろにつけています。 こちらが弱って36秒台までペースを落としたこの11周目に、逆に二瓶君は35秒202というペースで一気に追いついてきていたのです。 となれば、このラストラップ、何が何でも逃げ切るしかありません。 すっかり落ちかけていた集中力のスイッチを再度入れなおして全力走行です。 体力的には結構限界に来ているので、いつも以上の走りをしようとすればミスする可能性もが高くなります。 そしてこういう局面ではミスした方の負けです。 なのでブレーキングからコーナー進入にかけては絶対ミスしないよう安全マージンを確保した走りを心がけます。 ただコーナーの立ち上がりではいつもより大きめにアクセルを開けていきます。 SUGOの勝負どころは2箇所。 まず最初の勝負どころのバックストレート。 このバックストレートをインベタで走り、なんとかクリア。 そのまま、馬の瀬・SPインアウト・110Rコーナーを抜けて、最後の勝負どころのシケイン進入。 ここでも完全にイン側締め切って、なんとか二瓶君の前でシケインに進入。 この先ではよほどのことがない限り抜かれることはありません。 あとはホームストレートを駆け上がって、からくも逃げ切ることに成功しました。 なんとか3位表彰台を確保したレースでしたが、表彰台を終えた後から悔しさがこみ上げてきました。 なんともいえない悔しさです。 今回は1分33秒台に入れるためにエントリーしたレースでした。 それを本気で狙えるくらいライダーの調子も絶好調でした。 しかし、この決勝レース。 石にかじりついてでも33秒台に入れてやろう!っていう気概では走ることが出来ませんでした。 なぜ最後の最後まで33秒台目指して渾身の走りをすることができなかったのだろう。 それが悔しくて仕方がありません。 もちろん決勝レースのコンディションはベストとはいえなかったし、バンクセンサーが落っこちたり、レース中にもヘルメットのシールドが曇ったりというちょっとした逆風もありました。 しかし、同じ条件のこのレースで、優勝した小野君は最終ラップにベストタイムを1分34秒159をマークしてぶっちぎり優勝です。 言葉ではなかなか言い表すことの出来ない悔しさ・・・。 しかし、自分にはこの悔しさを解消するレースが残っています。 12月のNGK杯鈴鹿最終戦・・・このレースで同じ想いをしないよう全力を尽くすのみです。 ・・・NEXT・・・ Copyright (C) 2000 駒津歯科医院 All rights reserved. |