思い起こせば7月1日、梅雨明け直前から始まった怒涛の『2005年真夏の陣』 7月から9月の90日間のうちサーキットを走行していた日数はなんと延べ20日間にもなります。 その間にこなしたレースは5レース。 さすがに10年以上レースをやってきてこんなにレース密度が濃い夏をすごしたのは初めてです。 本当に今年の夏は暑かったです。 ほんとに何度へこたれそうになったか・・・。 しかし、そんな夏をがんばって走りきったライダーには、シーズン終盤のこの秋、エンジンにもタイヤにも絶好のコンディションとなるこの秋のレースでは、きっとレースの神様から「びっくりタイム」ご褒美があるはずです。 そう信じてエントリーする筑波、SUGO、鈴鹿の地方選手権の3レース。 今回はその1発目の筑波選手権です。 前回の全日本鈴鹿から約1ヶ月。 久しぶりの1ヶ月の休養でゆっくりできるかと思いきや、レース三昧で溜まりに溜まった仕事をやっつけているうちにあっという間にこの1ヶ月は過ぎてしまいました。 バイクに乗るのが約1ヶ月ぶり、筑波を走るのは約2ヶ月ぶり、ということになります。 しかし、全日本鈴鹿が終わって張り詰めていたものが緩んでしまったためか、この1ヶ月バイクから完全に離れて仕事に埋没していたためか、このところぐっと秋めいてしまった気候のせいか、レースを目前にして闘争心よりもなんともいえない恐怖心?のほうが先に立って来ます。 まあ、こういうのはめずらしくもなく過去何度も陥ったことのある心境です。 こんなときはとにかく実際にバイクにまたがってコースインしてしまえば吹っ切れるものだということも長年の経験上知っています。 【10月21日 公式練習】 さて、そんな感じで若干ローテンション気味で迎えた公式練習1本目。 あっさり0秒台でグルグルするか・・・ 不安で不安で仕方が無かった1本目の走行でしたが、走り始めてしまえばそんな心配をよそにあっさりと0秒台中盤を連発し、ベストは0秒2という好タイム。 そのまま2本目の走行では、1分0秒フラットをマークし、結構使い込んだ中古タイヤであわや59秒台突入寸前という絶好調ぶりです。 中古タイヤの練習ということもあって、最終コーナーあたりは全開モード80%といったところでこのタイム。 「明日の予選・決勝で新品タイヤでいったらどんなタイムが出ちゃうんだろう・・・59秒中盤は固いな、もしかしたら59秒前半、まっ、まさか夢の58秒台???」 レースウィーク前のローテンションは何処吹く風・・・という感じで、明日の本番に向けて気分は最高潮といったところです。 【10月21日 公式予選・決勝】 【公式予選】 今期最高の手応えで迎えたこの予選と決勝。 「大化け(おおばけ)」の予感有り有りのレース本番当日でしたが、なんと天気が微妙です。 朝からどんよりとした空模様で、いつ雨が降り出してもおかしくないような雲が空を覆っています。 しかし、なんとなく雨は降らなそうな気がします。 予定でいけば今回のレースは人生最後の筑波のレース。 しかも昨日時点で自分の調子は絶好調です。 今回のレースは、「レースの神様」が最後の最後に、自分が「大化け」するためにドライのレースをお膳立てしてくれるに違いない! そんな根拠のない自信があったのです。 ところが、予選開始ぎりぎりまでもっていた雨粒が、まさに予選コースイン直前になってバラバラと落ちだして来たのです。 「まあ、ヘルメットには雨粒はつくけど、路面を濡らすほどじゃないな・・・」 「今年の5月の全日本筑波の公式練習で同じように雨がパラついてきたけど、あのときも1分0秒フラットくらいで走れてたから問題ないっしょ!」 と、あまり気にせずコースインしたのですが、1周目の最終コーナーでリアタイヤを大きく滑らし、からくも転倒は免れたものの、次の1コーナーでは前のバイクのタイヤの通った後がはっきりと残るくらい路面が濡れだしているのを確認したところで、完全に我に返ります。 「やばい、やばい。とにかくこの予選は安全第一でいこう。午後の決勝はドライになる可能性がある。今回の調子ならドライになれば絶対に自己ベストを大きく更新できる。その決勝で結果を出す為にも、この予選は絶対転べない・・・」 ほんのりと濡れた路面をスリックタイヤで走るわけですから、コーナーではほとんどバイクを傾けずにゆっくりとクリアします。 いこうと思ったらもうちょっといけるのはわかります。 でも、とにかくこの予選で散るわけにはいかない。 予選順位が最下位でも構わない。 とにかく転ばずに予選を終えることが絶対です。 当初1周につき1分30秒くらいかけた超安全走行も、最終的には1分17秒くらいまでにはしましたが、予選順位は10番手3列目という結果に終わりました。 【決勝】 予選終了後、雨は上がりそのままドライで決勝を迎えることができそうかと思いきや、再び降り出した雨はそのまま本降りとなり、迎えた決勝レースは完全ウェットとなってしまいました。 もともと雨は得意ではありませんでしたが、今年の6月に雨の筑波で予選3番手を獲得したりしているので、完全ウェットならウェットで優勝を狙ってやろうという気持ちは満々でした。 ただ今回使用するレインタイヤは、昨年の春からずっと使ってきたタイヤで、すでにこのタイヤでの走行時間は4〜5時間くらいまでに達しています。 このタイヤがどこまでグリップしてくれるか?が今回のレースの心配どころではあります。 雨のレースは、タイヤの温度をあまり気にする必要がないので、スタートと進行は以外とドライより楽だったりします。 割とリラックスした感じでスタートの時を迎えます。 このところ2回連続して成功しているスタートダッシュですが、今回もものの見事に決まります。 予選グリッド1列前のライダーとほぼ並びかけるところまでいきますが、目の前の1コーナーの濡れた路面を意識した瞬間に、2〜3台くらいに交わされ結局は8番手くらいで1コーナーをクリア。 そこから1台抜いて7番手に上がるものの、別のライダーに抜かれ再び8番手に下がります。 最初の4周くらいはトップグループも手の届くところにいたのですが、目の前にいるライダーを抜くのに手間取り、数周掛かってやっとそのライダーの前に出た時点で、そのさらに前方のグループとはバックストレート1本分以上も離れてしまっていて、そこからは完全に単独走行です。 単独になってからは1分7秒台くらいでの走行が続き、自分としてはまあまあのペースで走っているつもりなのですが、比較対称がいないため、今ひとつペースがつかみきれません。 ただ前方のグループは全く視界に入ってこないので、その前方のグループもそれと同等か、それ以上のタイムで走っているようです。 後半になって前方に2台くらいのライダーが現れてきたので、前のグループに追いついたのかと思いきや、実際には周回遅れのライダーで自分の順位の変動はなし。 結局トップから50秒遅れの7位完走、惨敗のレースとなりました。 天気予報によれば、翌日の天気は秋晴れとのこと。 できれば秋晴れの下で、集大成の走りをしたかったのですが、それは叶いませんでした。 筑波の自己ベストは今年6月にマークした59秒757。 決して満足できないタイムではありませんが、正直このタイムが限界という気もしません。 なまじっか昨日の練習で1分0秒0なんていう好タイムをマークしてしまったがゆえに、この59秒757を自分の筑波生涯ベストとして快く受け入れることのできない自分がここに居ます・・・。 しかしながら今回のレースの惨敗は惨敗です。 残りのSUGOと鈴鹿のレースでこの悔しさを晴らすしかありません。 この2つのレースでどう締めくくるかが自分にとっては大事なことなのです。 ・・・NEXT・・・ Copyright (C) 2000 駒津歯科医院 All rights reserved. |