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前哨戦・・・(2005年7月 SUGO選手権)

【7月1日 練習走行】

前回優勝を飾った筑波のレース以来、約1ヶ月バイクに乗らない生活をしていました。

そんな安穏とした日々も終わり、いよいよシーズン後半戦突入です。

そして舞台は宮城県のスポーツランドSUGOに移ります。

8月に開催される全日本SUGOへの調整を兼ねて出場するSUGOの地方選手権です。

今回あえてレースウィーク前にはSUGOでの練習は行わず、「ぶっつけ本番」でレースに挑むことにしました。

SUGOはこれまでに一番走り込んだコースです。

それだけに走りが若干マンネリ化しているのです。

ここはこれ以上練習してもマンネリに拍車が掛かるだけ・・・そう判断して、あえて「ぶっつけ本番」作戦でいくことにしました。

筑波で上げてきた勢いをそのままSUGOに持ってくるための作戦なのです。

さて、そのレースウィーク初日の練習ですが、練習走行1本目で早々に1分36秒8をマーク。

タイム的にはまずまずの滑り出しですが、感触的にはいまいちです。

筑波でほぼパーフェクトに仕上がったダンロップタイヤとのセッティングをベースにして、SUGO用に若干セッティングを変更してきたのですが、やはりもうちょっと煮詰めないといけないようです。

2本目以降は雨が降り出して走行をキャンセル。

結局この日は1本のみの走行となりました。

【7月2日 公式練習】

この日心配された天気はなんとかもって、最終シケインに若干ウェットパッチが残る程度で、コース上はほぼドライ。

明日の本番に向けて最終調整の練習がはじまります。

昨日から若干フロントサスペンションのセッティングを変更して練習1本目のコースインをします。

このセッティングの変更により、昨日とはうってかわって狙ったラインを大きく外すことなく走行することができます。

タイヤが中古だったこともあって、それほどシャカリキに攻めたわけでもないのですが、1分35秒9の好タイムをマークします。

これは昨年の全日本でマークした自己ベストのコンマ0.1秒落ち。

やはり「ぶっつけ本番」作戦は間違いではなかったようです。

練習2本目は新品タイヤを投入です。

ここで自己ベストを更新して、気分的に楽な状態で明日のレース本番に挑みたいところです。

コースイン直後から、新品タイヤの良い感じがライダーに伝わってきます。

「やばい!これはすごいタイムででちゃうかも・・・!」

そのまま全開モード100%でコースを思いっきり攻め込みます。

ところが・・・。

思いのほかタイムが上がって来ません。

先ほどはさらっと走って1分35秒台をマークしているのに、今回は36秒台の後半をマークするのがやっとという状態です。

このまま全開走行を続けますが、どうにもこうにもタイムが上がってこないので、早めに走行を切り上げます。

こういう時はいくら頑張ってもタイムは出ないものです。

ちょうど「筑波の2秒地獄」と同じような状況と言えます。

今回投入した新品タイヤは、そのまま明日の予選でも使用するつもりなので、「タイヤ温存」という意図もあります。

ところがです。

ピットに戻ってきてフロントタイヤを見てびっくりです。

「温存」したつもりのフロントタイヤがザクザクに消耗しています。

同じく新品ダンロップタイヤで出走した小野君も同様にフロントタイヤをザクザクにして帰ってきました。

今年SUGOは路面を全面改修したのですが、その影響からかダンロップタイヤのフロントタイヤの消耗が尋常ではありません。

ちなみにブリジストンタイヤには、この路面改修の影響は全く出ていないようです。

「どーする!?タイヤ・・・」

小野君と相談した結果、ここにきてタイヤをブリジストンに変更する決断を下すのに時間はあまりかかりませんでした。

明日はぶっつけでブリジストンタイヤで行くことになります。

それにしても、この2回目の新品タイヤで1分36秒後半というタイムはライダーの気持ちをどん底に落としこめています。

タイヤが数周で消耗しているという事実はありますが、同じ状況で小野君は35秒7というタイムをマークしています。

自分も1本目の中古タイヤで35秒9をマークしているのですが、そんなことも吹き飛ばすくらいこの2本目の走行の感触は悪すぎました。

今だから言えることですが、この時点で「全日本SUGO断念もありかな・・・」と頭をよぎったくらいです。

【7月3日 予選・決勝】

今回は全日本選手権が2ヶ月のインターバルに入っていることと、このインターバル明けの最初の全日本がSUGOであることから、バリバリの全日本ライダーが3名エントリーしています。

エントリーリストを見る限り、SUGOの自己ベストベースで自分を上回っているライダーが8名。

そして昨日の練習で自分の自己ベストの0.3秒落ちまでに迫ってきたチームの後輩の油井君。

この9人が目下のライバルということになります。

ここ数年経験したことのないハイレベルな地方選手権です。

もはやセミ全日本といった感じ雰囲気です。

<公式予選>

この日は朝方まで雨が残り、予選開始時間に向けて路面が序々に乾きだしているという状況。

ここ最近恒例の、出走直前までスリックタイヤ(晴用)でいくかレインタイヤ(雨用)でいくか判断しかねる難しい状況です。

予選出走直前にモニターに映し出されたコース状況は、レインボーコーナーがハーフウェットで、あとはほぼ全面ドライというコンディション。

全車がスリックタイヤで出走することになります。

昨日ブリジストンタイヤで行くことを決定した自分ですが、ハーフウェットで新品タイヤの投入はもったいないので、結局予選は中古のダンロップタイヤで行くことになりました。

この予選のポイントはハーフウェットのレインボーコーナーをどう走るか・・・になります。

チーム員の小野君はかつてハーフウェットのレースでの優勝経験があり、言ってみればハーフウェット・マイスターです。

この小野君がこのハーフウェットをどう走るか見極めたかったので、小野君の真後ろでコースイン。

どんよりとした天候で路面温度は低く、その上一部ハーフウェット。

あまりライダーの気分の乗るコンディションではありません。

小野君を初めとして、その他視界に入ってくる目下のライバルたちもそれほどペースを上げる気配がありません。

「やはりこのコンディションは各ライダーとも抑え目に行くっていう判断なのかな・・・?」

このような難しいコンディションでは、周りのライダーの動向に合わせるというのがリスクのない方法です。

予選時間も後半に差し掛かったところで、チーム員の油井君の後ろにつけ、そのまま何周かしますが、ストレートで前に出れなかったので一旦ペースを落としてクリアラップを取ります。

この時点で予選の残り時間を確認していなかったので、

「もしかしたらこのまま予選終了しちゃうかも・・・」

と心配になりますが、クリアラップをしっかり確保して全開でコントロールラインに戻ってくると、予選時間は残り「3分」と表示されています。

残された予選はあと2周。

まず最初の1周はそれなりにペースを上げて1分36秒23というタイムで帰ってきます。

「へっ、思ったよりタイム出てる・・・」

昨日新品タイヤでしゃかりきに走って36秒後半しかでていなかったのに、中古タイヤでしかもウェットパッチの残るレインボーコーナーはかなりスピードを落として走っているのに・・・です。

そしてラストチャンスの1周。

先ほどよりももうちょっとペースを上げてみますが、それでも絶対に転ばないペースで最後のタイムアタックに入ります。

馬の背コーナーを立ち上がったところで、オートシフターが上手く作動せずに、次のSPインコーナーは大失敗。

「あーあ、最後のタイムアタックは不発かあ・・・」

といまいちテンションの上がらなかった予選を振り返りながらコントロールラインに戻ってくると

1分35秒8

などというびっくりタイムが表示されています。

「えっ、あれで35秒台???」

ピットに戻ってくると嫁さんが満面の笑顔で迎えてくれます。

驚いたことに、強敵揃いの今回のレースで予選4番手、フロントローをゲットです。

しかも予選2番手のライダーとの差はコンマ4秒程度。

余裕有りまくりのペースで、しかもSPインコーナーで大失敗したことを考えれば、ちょっと惜しいことをしたなあ・・・という感じです。

いずれにしろこのメンバーで予選最前列を確保できたというのは、今までのレース人生で一番嬉しかった・・・と言っても過言でないほどの気分が良いものでした。

<決勝>

相変わらず路面温度が上がる気配がないことと、中古のダンロップタイヤで思った以上にタイムが出てしまったことで、結局決勝レースもダンロップタイヤで出走することになりました。

となりにならぶライダーたちは完全ドライコンディションであれば34秒台から33秒台に突っ込んでくるであろう面々です。

スタートがまともに決まって、うまくこのメンバーの後ろに付けることが出来れば、レースが終わる頃には自分は全く別次元に行ってしまっているかも知れません。

そんなことを考えていると、気持ちが高ぶりすぎて、それを抑えるのが大変です。

決戦直前!決勝グリッド最前列にて・・・

いよいよ2周にわたるウォーミングラップを終え、最終のグリッドにつき、目の前のオフィシャルが退去。

レッドシグナルが点灯し、そのレッドシグナルの消灯で大きな飛躍に向けたレースのスタートです。

最初の動き出しは悪くなかったと思うのですが、その先で失速し、いつものごとく順位を大きく落として1コーナーに進入します。

この時点で10番手。

1周目のバックストレートで一台交わして9位に浮上。

2周目が終わってコントロールラインに戻ってきたところでタイムが1分35秒50・・・早くも自己ベスト更新です。

レースはまだ序盤、とりたててクリアラップがあったわけでも無いと思うのですが、3周目が終わって手元での手動計測の結果を見ると、

1分34秒94

「あれっ!34秒台入っちゃった!!!」

手元計測なので34秒に入ったかどうかは微妙なところですが、とりあえず自己ベストを大きく更新していることは間違いなさそうです。

そこから2台抜いて7番手までポジションを上げますが、ここから先がどうにも前に出ることができません。

さらに序盤のペースが予想以上に速かったため、例のダンロップのフロントタイヤの状態が不安になり始めます。

もし、今この時点でフロントタイヤが昨日のようにザクザクになっていたら、あまり調子に乗りすぎるといきなりフロントから転倒!!!っていうこともありえます。

そのことが気になりだしたころから集中力が切れ始めました。

集中力が切れだすと、途端に疲労を覚え始めます。

この時点で目の前を走るのは2台。

無理をすれば抜けるかもしれませんが、集中力が切れ始めて体力の限界が近づいているこの状況で、前に出てしまうと後が辛くなります。

レース後半になるまでこの2台の後ろについて様子をみることにします。

しかし今回のメンバーはそんなに甘くはありません。

「様子を見よう」などと余裕をかました次の瞬間から、さっきまでドン突いていた前の2台との間隔が広がり始めています。

そこからは時折拡がる間隔を、再度集中し直してはその間隔を詰めなおすという展開が続きます。

そうこうしてるうちにシケインで一台に抜かれそうになります。

「うっ、K選手後ろにいたの・・・!」

体力的にほぼ限界になっているこの状況で、真後ろに他のライダーがいる展開というのは非常に辛いものがあります。

最後の力を振り絞ってペースを上げます。

すると今度は逆に、さっきまでまた広がり始めていた前の2台の間隔がグッと詰まって、気がつけばシケイン立ち上がりでばっちりスリップストリームに入っています。

「前に出るにはこれが最後のチャンス!」

完全に「もらった!」と思ったスリップでしたが、6速に入ったところで向こうのマシンの方が伸びて前に出ることができません。

このアタック失敗で完全に集中力が切れました。

もうバイクにまたがっているのが精一杯というほどに体力を使い果たし、次の周の1コーナーでこのK選手の先行を許し、さらに次の周のレインボーコーナーではチーム員の油井君にまで抜かれてしまいました。

残り2周でこの油井君が転倒、さらにラストラップでトップ争いをしていた別のK選手も転倒。

チェッカーが振られた時の順位は7位という惨敗となりました。

終わってみるとチーム内ランキング1位の小野君はこのハイレベルなレースで堂々たる2位を獲得して、自己ベストも1分34秒315まで更新。

自分は手元計測では34秒台に入ったかと思われたあの3周目のタイムが、正式結果では1分35秒029となり、34秒台突入は幻に終わってしまいました。

今回はトップ争いが34秒台前半、小野君がいた3位争いが34秒台中盤というラップタイムだったとのことで、スタートさえ決まっていればもう少し面白いレースができたはずだったのですが、毎度のことながらそれが悔やまれてなりません。

しかしリザルト以上に、来る8月の全日本SUGOへの手ごたえを掴むことができたので良しとしたいと思います。

ただ決勝レースで最後まで体力が持たないというのは情けなさ過ぎます。

これから全日本まで、1日たりともトレーニングを欠かしたら、出場辞退する・・・というくらいの意気込みで、体力作りをしていきたいと思います。

・・・NEXT・・・

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