短いオフシーズンが終わり、インプラント駒津歯科レーシングとしての3年目の挑戦が始まりました。 表面的にはあまり目立った成績を残せなかった2004年シーズンでしたが、自分の中では何かおぼろげながら手応えのようなものを感じていました。 自己ベストを大きく更新することはありませんでしたが、練習から比較的安定して自己ベスト付近で走ることができるようになってきたというのが大きいです。 そのおぼろげな手応えが、「幻」なのか「現実」なのか・・・それを見極める2005年シーズンということになります。 <3月9日筑波シーズン初走行> 毎年のことながら不安で一杯のシーズン初乗りで、思いのほか暖かい気候に恵まれ1分1秒7をマーク。 初乗りなので全く無理せず、軽く流して走っただけなので、自己ベストの1秒落ちは自分としては上出来です。 <3月16日筑波練習走行2回目> 初乗り同様、この日も暖かくコンディションは上々。 初乗りよりは遥かに頑張って走って見ますが、タイムは思いのほか伸びずにに1分1秒5にとどまりました。 まあ、まだまだ全開走行というわけではないのですが、ちょっと今シーズンの行く末が不安になる走行となりました。 <3月20日筑波練習走行3回目> 今期一発目の「絶好調宣言」・・・出ちゃいました。 新品タイヤを投入して挑んだこの練習では、今期初の全開走行を試みます。 すると、出るわ出るわ・・・昨シーズンど真ん中でも本気モード110%くらいださないとマークできなかった1分0秒台で笑っちゃうくらい簡単にグルグル回る事ができてしまうほどの絶好調ぶりです。 この日の練習のベストタイムは1分0秒5・・・ほんの僅かではありますが、2年間停滞し続けた筑波の自己ベストをあっさり更新です。 <3月30日筑波練習走行4回目> ちょっと風が強くコンディション的にはさほど良くはなかったのですが、それにしても・・・というほどの燦燦たる練習内容になってしまいました。 1回目の走行のベストタイムが1分1秒9。 今年の初乗りは軽く流して1秒台でしたが、今日の2秒台はもう全開モード120%の走行です。 風の影響なのか、中古タイヤのコンディションが悪かったのか・・・とにかく攻めても攻めてもタイムが出ない。 10日前の「絶好調宣言」に浮かれていた状態から一転、一気に地獄の底に叩きつけられたような感じです。 そして不安を抱えたまま今期初レースに突入することになります。 【公式練習1本目】 やはり前回練習の不調はタイヤに原因があっただけなのか、走り始めて5周目であっさり1分0秒788をマーク。 前回の練習で感じた不安を払拭することができました。 この直後に遅いバイクに2周ほど引っ掛かってタイムを落としますが、それを抜いてクリアラップになるとすぐに 1分0秒897 という具合にいい感じでペースアップすることができます。 ただ問題はそこからでした。 「ここは一気にペースを上げて1分0秒前半、あわよくば59秒台!!!」 と全開モード120%で走り始めると、 コンマ3秒詰めるべくペースアップしているつもりなのに、コンマ3秒タイムが落ちるという状態です。 この走行はベストタイムだけを見ればほぼ自己ベストということでそれなりに満足できるタイムを出しているのですが、この「ペースアップするとタイムが落ちる」現象の方が悪いイメージとして頭の中を支配してしまい、とても浮かれた気分にはなれません。 【公式練習2本目】 とりあえず1本目で自己ベスト付近は出ているので、2本目はタイムには目をつむって、車体のセッティングの方向性を見極めるべく前後サスペンション共に少し「やや冒険的なセッティング」を施してコースインします。 このセッティングですが、リアはまあまあですが、フロントはあまり感触が良くありません。 ピットインしてすぐに調整しなおしても良いのですが、この公式練習は20分と時間が短いのと、少し今までと違ったライディングも試してみたかったので、予定どおりタイムを気にせず色々な走り方やラインを試してみながら走行を続行します。 案の定タイムは1分0秒9がベストという平凡なものですが、セッティングの方向性がひとつ掴めたのと、最終コーナーの走り方にちょっとしたヒントを見出すことが出来たのでまずまず収穫ありという感じで走行を終えました。 ただ、この走行で59秒台で走行していたライダーが3名、現時点では実力の差を見せ付けられているという状況です。 この3名、レース本番では59秒台に突っ込んでくるだろうとは思っていましたが、練習走行から59秒台でぐるぐるするとは想定していなかったのでかなり焦ります。 まず1本目の練習で感じた「がんばるとタイムが落ちる」という現象。 この対策を何か講じない限りその先のレベルが見えてこないという苦しい状況です。 【公式予選】 予選の前半の数周は昨晩に交換した新品ピストンの慣らしでゆっくり走ります。 6周くらい我慢のならし走行をしてから7周目に入ったところからタイムアタック開始。 7周目:1分0秒648 (よしよし最低限のタイムはクリア!) ここでペースの上がらない集団に追いついてしまって、一旦間合いをとるために大きくペースダウン。 10周目:1分12秒118 このペースダウンで前方をクリアにしてからタイムアタック再開しますが、程よく上がって来た自分自身の集中力も一回途切れてしまってペースを上げられず、 11周目:1分0秒856 ここで想定以上に遅いライダーに再度追いついてしまい、半周付き合ってしまって 12周目:1分5秒518 予選時間は残りあと僅か、あと1ラップあるか無いか???というところでホームストレートに戻ってみるとまだチェッカーは振られていません。 (これが最後のラップか?) と最後のタイムアタックを試みますが、やはり2回に渡って分断された集中力を1周で戻すのは難しくいまひとつ乗り切れません。 13周目:1分0秒493 (あらっ、それでも一応自己ベスト更新!?) この周帰って来てチェッカーが振られている思っていたのですが、まだチェッカーは振られてない。 (えっ、もう1周あるの???) そのままもう1周タイムアタックに入りますが、さっきの周が最後だと思っていたので、これまた走りに集中しきれません。 一応ある程度はがんばって走ってみたのですが、「まあ、0秒8くらいかなあ・・・?」とあまり期待せずに戻ってきて出したタイムが 14周目:1分0秒353 ちょっとびっくりしましたが今ひとつ乗り切れないと思っていたこの最後のタイムアタックでも自己ベストを更新して予選を終了することになりました。 昨日練習から59秒台をマークしていた3人はこの予選でも順当に59秒台をマークし、自分の予選順位はこの3人に続く4番手。 決勝はなんとかグリッド最前列=フロントローからのスタートになります。 【決勝】 予選の時の最終ラップがある意味好印象だったので、決勝はかなり期待できます。 それほど攻め切れている走りではなかったのに1分0秒353。 いまだかつて無いほど59秒台突入への手ごたえを感じています。 (スタートを無難にこなしてトップ3台についていけたら知らないうちに59秒台まで連れて行ってもらえるだろう。) (いや、今のフィーリングなら、クリアラップさえあれば単独でも59秒台に叩き込む自信はある!) そんな想いをめぐらせながら迎えた決勝レース。 ほんのわずかな不安材料があるとすれば、タイヤです。 今回ブリジストンのサービスがハードコンパウンドのタイヤを用意していなくて、ミディアムコンパウンドのタイヤで決勝に挑むことになります。 (まあ、全日本の周回数の2/3しかない地方選手権のレースだからミディアムでも問題ないだろう・・・) とそれほど気にはしてなかったのですが・・・。 決勝レースは恒例のスタートミスにより、1コーナー進入時には最高尾から2番目まで順位を落として、そこからの追い上げる展開。 自分より予選下位のライダーを順番にパスしながら8周目くらいで5位まで浮上。 とにかく59秒台突入のためのクリアラップが欲しかったのですが、ここでようやく前走車とホームストレート1本分のクリアラップを確保。 ここからがいよいよ全開モードの走行開始です。 9周目:1分0秒851 といよいよペースが上がってきたところで、1コーナーの立ち上がりでリヤタイヤを大きく滑らしあわや転倒の場面をからくもしのいで、その後は今にも滑り出しそうなタイヤに気を使いながら、 11周目:1分0秒598 ここら辺でもうリアタイヤはいたるところで滑り出すし、フロントタイヤの旋回性も明らかに落ちてきているような感じがし始めます。 (タイヤ終わっちゃった・・・・) 14周目:1分0秒909 やはりミディアムコンパウンドのタイヤは厳しかったようです。 ここで先ほどの前走車に完全に追いついて1分1秒台までラップタイムが落ち込みます。。 前を行くライダーもブリジストンタイヤのユーザーです。 おそらく条件は同じミディアムコンパウンドのタイヤで、後から見ていてもタイヤがまともに仕事をしている感じが無く、ライントレースに苦労しているようにも見えます。 こちらもタイヤが厳しく、リスクを負えば抜くこともできるのですが、そのさらに先3位を行くライダーの姿は遥か彼方で、仮にこの4位のライダーを今抜いたところで、その3位のライダーに追いつく可能性は全くありません。 とりあえずラストラップまでこの4位のライダーの直後を走って様子を見よう・・・と思った矢先、その4位のライダーが自分の前でスリップダウンして脱落。 (うわっ、やっぱりタイヤやばいんじゃん!!!) この苦しいタイヤの状況で攻め続けたら自分がそうなったであろう光景を目の当たりにしてペースをさらに落とします。 この時点で後方のライダーを確認しますが、後方から迫ってくるライダーの気配は全くなし。 残り3〜4ラップはポジションキープの走りに切り替えてそのまま4位でチェッカーとなりました。 チェッカー後表彰台の前で同じブリジストンユーザーのチームメイトが開口一番「タイヤ10周で終わらなかった???」と興奮した口調で問いかけてきます。 やはり抱えていた問題はブリジストンユーザー共通だったようです。 結局スタートミスしたことにより、序盤の追い上げでタイヤを使い切ってしまい、やっとクリアラップになった中盤ではタイヤが残っていなかった・・・という残念なレースになってしまいました。 ハードコンパウンドのタイヤで出走できていたら・・・と思うと悔しくて言葉もでないのですが、僕にとっての本番は1ヶ月後の全日本筑波です。 まだまだ今年のレースシーズンは初戦を終えただけ。 自己ベストの更新もできたことだし幸先の良いスタートができたと言ってよさそうです。 ・・・NEXT・・・ Copyright (C) 2000 駒津歯科医院 All rights reserved. |