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インプラント駒津歯科レーシングチーム 発進!・・・(2003年3月 エリア選手権筑波大会)

今回は筑波サーキットで開催されたエリア選手権(全日本選手権のワンランク下の選手権)でした。

5月に開催される全日本選手権筑波RDに出場・予選通過が今シーズンの目標のひとつであるため、全日本の前哨戦とも言うべき今回のレースできっちり成績を残してはずみをつけたいところです。

全日本選手権の予選通過ボーダーは59秒台が必須条件になります。

それに対して私の筑波サーキットの自己ベストは1分1秒1・・・あと1秒ちょっと速くならないと厳しいということです。

私がはじめて1分1秒台をマークしたのは1997年の6月、もうかれこれ6年間も1分1秒台で足踏み状態が続いています。

今回の目標はもちろん59秒台突入なのですが、まずはいままでどうしても入らなかった悲願の1分0秒台への突入を最低目標とします。

<3月14日金曜日・・・公式練習>

いよいよ、レースウィーク突入。本番前に残された練習チャンスはこの日の2回の練習走行のみとなります。

前日にエンジンのピストンを新品にしたので、最初はこのエンジンの慣らし走行になりますが、慣らし終了後間髪入れず全開走行できるようにタイヤも新品を投入します。

慣らし走行では周りが全開走行している中を通常の走行ライン(レコードラインといいます)を外してゆっくり走らなければなりません。

実はこの慣らし走行というのは非常に厄介なもので、自分としてはレース直前に「ゆっくり走る」ということは本当はしたくないのです。

なぜなら

・本番前にスローペースで走ると、そのスローペースに目が慣れてしまう
・レース用車両というのは全開走行で車体が安定するようにセッティングされているので、ゆっくり走っているとかえって乗っていて怖い→バイクに乗ること自体がちょっと怖くなる

というマイナス要素があるからです。

しかしながら、本番で良い状態のエンジンを作るためにはこの作業は必須事項・・・嫌だ嫌だとは言っていられません。

1本目、慣らし走行をしながらリアブレーキを使う練習もします。

私はリアブレーキが使えないライダーです。

私がレースを始めたころは「レースではリアブレーキは使わない」とどんな本にも書いてあったからです。

しかし、今は「リアブレーキがつかえないライダーは早くなれない」という説のほうが主力になってしまいました。

周りのライダーも、みんな使っています。

今まで何回もリアブレーキを使えるように練習したのですが、どうしても「リアブレーキを使う」→「動作がひとつ増える」→「走りに集中できない」→「タイムが落ちる」という悪循環で、結局使ってこなかったのです。

さてその1本目の練習ですが、おっかなびっくりの慣らし走行は10周くらいで切り上げ、序序に全開走行に移っていきます。

しかし、前述の「慣らし走行に慣れてしまった目」のせいか、思いっきりコースを攻めることができません。

ペースが速くないことを自覚しているため、車載のラップタイマーに視線を落とすことなく、全開ペースを取り戻すことだけを考えて走り続けていたのですが、ふとそのラップタイマーに目をやると

「1分1秒125」

などと表示されています。

(あれっ、こんなんでこんなタイム出ちゃってる?この調子だったら0秒台入っちゃうかな?じゃ、もうちょっとがんばってみるか・・・)

と少しだけペースを上げてみます。

「1分0秒985」

(おっ、やっぱ来た!)

この6年間入れたくて入れたくて入れたくて、それでもどうしても入らなかった0秒台を意外とさらっと出てしまってちょっと拍子抜けした感じです。

そのままもう1周、肩の力を抜いて少し気楽に走ってみます。

「1分0秒910」

(うわっ、また来た!)

まだ走行の残り時間は少し残っていましたが、まずはこの記念すべき0秒台突入の喜びを噛み締めるために、一足早く走行を切り上げます。

(しかしあんな楽に走って0秒台なんか出ちゃって・・・本気で攻めたら一体どうなっちゃうんだろう)

そして午後になって、2回目の練習走行が始まります。
もう慣らし走行する必要がないので、初めから全開です。

(今日はなんだか分からんが、絶好調だ。このまましゃかりきに全開走行すれば、下手したらいきなり59秒なんていうのも夢じゃない)

ところが走り出して数周で転倒車がコース上に残り、赤旗が掲示されて走行が一旦中断になります。

上がりかけていたテンションがこれで一旦ゆるんでしまいます。

すぐに走行再開。もう一度テンションを一から上げなおしてペースアップします。

ところがここで遅いライダーに数周にわたって捕まってしまいます。

2秒は遅いであろうそのライダーをどうしても抜くことができません。

バックストレートでスリップストリームに入っても前に出ることができないのです。

(あれっ、もしかして俺のバイク走ってない(エンジン速くない)かも・・・)

その後再び転倒車があって赤旗中断。

結局この走行では、かなりがんばって走ったにも関わらず1分1秒1がベストタイムとなりました。

気楽に走って0秒台、しゃかりきになって走って1秒台・・・これがバイクの難しさです。

それにしても、バイクがあまり速くないことにも原因がありそうです。

午前中の走行ではあんなに速かったのに・・・というか速くなきゃあんな走りで0秒台出てるわけないし・・・。

よく耳にする話だとは思いますが、エンジンというのは寿命が迎える直前に異常に調子よくなることがあります。

これは迷信ではなく、自分もレースをやっている仲間も実際にそうことをよく経験するのです。

たしかに今回、エンジンのクランクの走行距離は寿命間近のもので、今回のレースまで持ってくれればいいなあ・・・というほど走りこんでいるものです。

(これは予定外だが、本番前にクランクを交換するしかない)

この金曜の晩から、エンジンを下ろして全バラして、クランク交換という大作業が始まりました。

<3月15日土曜日>

この日は走行の予定がなく、クランク交換などという大作業が入らなければ、のんびりと明日の本番に向けてイメージトレーニングでもしているはずの日でした。

とても明日このバイクでレースをするとは思えないほどにバラバラになったマシンを、丸一日かけて組み上げて、結局すべての作業が終了したのは夜の9時を回っていました。

実は整備という作業は、走行以上に疲れる作業でして、丸1日も整備をしていると体中が鉛のように重い疲労感に襲われます。

明日のレースに間に合わせることだけで、いっぱいいっぱいで、走りのイメージトレーニングはまったくできずに本番を迎えることになりました。

<3月16日日曜日・・・予選・決勝>

さあ、いよいよ夢の59秒目指しての本番が始まります。

この日は午前中に予選、午後に決勝レースが行われます。

【予選】

予選コースインのため整列していると、横に某チームに某選手がいます。

この選手は大して速くないのに、バイクだけは速くて、昨年のレース中に自分の前を走られてずっとひっかかって抜けずに終わってしまったという因縁の相手です。

(こいつに引っかかったらシャレにならん・・・)

そのことを知ってる嫁さんも私にしきりに注意を促します。

嫁:「気をつけてよ。これに引っかかったら絶対にタイムでないよ。最初に前に出ちゃわなきゃ駄目だよ」

自分:「わかってるって。大丈夫、大丈夫」

(とりあえずコースインと同時にこいつの前に出ないと厄介なことになる。)

十分に自分に言い聞かせたつもりでした。

十分に言い聞かせたつもりだったのに・・・

いや、その自分に言い聞かせている途中にいきなりコースインの合図が振られてしまったというほうが正しいかもしれません。

(あらっ!?)

こちらがクラッチをつなぐより前に、相手にするするっとバイクを前に進められてしまいました。

あれほど注意していたにも関わらず、なんとそいつの真後ろでコースインすることになってしまったのです。

(やっちゃったあ・・・まあいいや、とりあえずこいつとは間合いをとって先に行ってもらおう)

極力冷静を装い、いつもよりもゆっくりコースインしてそいつが見えなくなったころを見計らってペースアップすることにします。

ペースアップが始まれば、コースイン間際に起きた「ちょっとしたミス」など忘れて、いよいよタイムアタックの始まりです。

ところがです・・・順調にペース上がっていよいよタイムアタックという頃になって、なんとそいつがやや前方の視界に入ってくるではありませんか。

もう1回ペースを落として間合いを取るという方法もあるのですが、それでは折角上がってきたテンションが台無しになる。これはこのまま抜いて行くしかない。

と思ったのがすべての間違いとなります。

コーナーで追突しそうなくらいスピード差があるのに、ストレートで抜けない。というか追突しそうだから、こっちのコーナリングスピードも落ちてしまって、コーナーの脱出スピードが乗せられないという感じです。

(一生のお願いだから前出させてえ・・・!)

と心の中で叫びながら、ストレートエンドのコーナー進入でイン側に飛びこんでいこうとするのですが、相手にまったく引く気がないので、接触寸前です。

こんなやつに接触して転倒して、今回のレースを棒に振るなんてことは私にとっては最悪の構図以外のなにものでもないので、どうしても最後の最後のところで私が引いてしまいます。

こんなやりとりをしていて、この時点での私の予選タイムは1分1秒台で止まっています。

(とりあえず1回だけ引いてみよう)

あんまり気は進まなかったのですが、ちょっとだけペースダウンしてそいつとの間合いを取って、再度タイムアタック。

本当だったらどんなに速く走っても3周くらいは追いつかないくらいの間合いを取りたいところでしたが、予選の残り時間も気になりだしたころだったので、気持ちが焦ってしまい、そこまでの間合いを取る心の余裕がありません。

最終コーナーを立ち上がって全開走行に入った時点で、見た感じ自分に与えられている全開走行のチャンスは1周あるかないかくらいの感じです。

私の場合「1周しかない」って思うと、萎縮してしまって集中仕切れないという状況に陥ります。

というか、集中しすぎて走りが守りに入ってしまうというほうが正しいかもしれません。

この時点であまりタイムが出ていなかったので、攻めすぎて転ぶわけにもいきません。

それなりに攻めてるけど、絶対に転ばないというペースで走って、ホームストレートに戻ってきたところで、案の定、もうそいつは目の前にいます。

「1分0秒715」

(ちっ、やっぱりあれだけ安全に走っても0秒台が出てやがる。このまま3周クリアラップ(前に誰もいない状態)もらえてたらまだまだペースアップできるのに!)

もう前がつまってしまっていましたが、間合いを取って次の周にタイムアタックというほど時間に余裕はありません。

(このまま抜いていけるか?)

ストレートで相手のスリップストリームに入って、ストレートエンドでイン側へ飛び込む。

(どうだあ・・・?)

(だめだあ・・・)

ほんの数分前に繰り返された状況を変えることができず、とうとう戦意喪失。タイムアタックを切り上げピットロードに戻ることになりました。

ほぼ同時に予選終了のチェッカーが振られ、場内アナウンスの声がヘルメット越しに聞こえてきます。

「・・・・今回は予選上位10名までが0秒台をマークしています・・・・」

決勝グリッドは4台づつ横に整列するため、予選1〜4位はグリッド最前列、5〜8位がグリッド2列目、9〜12位が3列目となります。

(うわっ、微妙・・・!)

予選グリッドが2列目と3列目では天と地の差です。

しかし、予選の正式発表で、私の順位は9番手。
残念ながらあと一歩及ばず2列目獲得はなりませんでした。
ちなみに2列目最後の8位のライダーとの差はわずかに0.05秒。
予選の展開からしても、悔やんでも悔やみきれない予選結果となりました。

【決勝】

さて、いよいよ決勝レースです。

午前中の予選の感じからしても、展開しだいでは0秒前半から下手すると59秒台突入の可能性の手ごたえも十分にあります。

しかしながら実は、いままでの私の敗北の歴史の中で、これをなくしては語れないという致命的な欠点があるのです。

スタートが下手。

決して人より上手くなくてもいい、せめて人なみにスタートができればもっと違ったレース人生を歩んでいたに違いありません。

私にとって永遠の課題である「スタート」。

こいつを克服しなければ未来はないのです。

それに加え、今年からスタートの合図が変更になりました。

今まではレッドシグナル消灯後、グリーンシグナル点灯を合図にスタートだったものが、今シーズンからグリーンシグナルは点灯せずに、レッドシグナルの消灯のみが合図となるのです。

スタート前チェックからサイティングラップを終え、グリッドにつき選手紹介。その後もう1周ウォーミングラップをしてからスタートです。

(このレースで人生変えてやる!)

そのぐらいの気合でスタートを迎えていました。

そして、いよいよレッドシグナルが点灯し、そのレッドが消灯。

レーススタートです。

クラッチミートはまずまずでした。横のグリッドのライダーと同じようなスピードで加速をはじめます。

しかしそこからの半クラッチの時間が長すぎました。

車速が伸びずに、あっという間に後ろの列のライダーに飲み込まれ、順位を大幅に落とします。

(また、失敗だあ)

自分より予選順位が下位のライダーの後塵を浴びながらの1コーナー進入。もう何年もこんな光景を繰り返している。

(仕方がない、気持ちを切り替えて追い上げるしかない)

そう思った矢先、その第1コーナーの立ち上がりで自分のイン側斜め前方にいたバイクの後輪が大きくすべり、ライダーが投げ飛ばされてきます。

(うわっ、巻き込まれる!)

危機一髪、かろうじて巻き込まれずにすんだのですが、この転倒によりレースは赤旗中断。

少し時間を空けて再スタートということになりました。

とりあえずスタートに失敗した私にとっては、一応ラッキーな展開ではあります。

しかし、スタート直後というのは一番危ない状態なので、できれば2回もやりたくない・・・というのはライダーとしての本音でもあります。

時間にして20〜30分のインターバルをおいて、2回目のスタートが始まります。

レッドシグナルが点灯して、レッドが消灯。

(しまったあ、今回からレッド消灯でスタートだったあ・・・)

あわててクラッチをつないで、若干エンジンストールぎみで、今度は最後尾で1コーナーに進入するハメに・・・。

毎度のことながら、1コーナーをクリアしながら、気持ちの切り替えを図ろうとします。

(まずは1台1台さばいていくしかない)

ところが前にいるライダー、非常に良く知っているライダーで、SUGOでは抜群の速さをみせるライダーであるが、今度はこのライダーのペースが上がりません。

筑波を走りなれていないとはいえ、予選では1秒前半のタイムを出しているライダーなのに、2秒台の走行が続きます。

だったら、さっさと抜いていけばよいものを、これがまたまた全く抜けない。

さっきの予選とは違い今回は決勝レースなので、「一旦引いて間合いをとる」という選択肢はありません。

とにかくコーナーで並んで脱出できるのに、その先でどうしても前に出れない。

1コーナーと最終コーナーでそんなことを何回も繰り返すのですが、ただただひたすら周回だけを重ねレースは後半戦に突入しています。

(っていうか、コーナー進入ではつんづまってる感じあるけど、立ち上がりは俺もかなりいっぱいいっぱいで走ってる。これで2秒台って・・・もしかしたら引っかかってなくても2秒しか出せてないんじゃーねーの?)

ちょっとそんな嫌な感じが頭をよぎると同時に、

(とりあえずこのまま走っても何も得るものがなくレースを終えてしまう。俺の目標は全日本選手権に向けてのレベルアップだ!何か得て帰らないとすべてが無駄になってしまう。)

という思いが強くなってきます。

散々悩んだ挙句、本来であれば決勝レース中にするべきではないとは分かっていながら、一旦ペースダウンして前走車との間合いを取ってみます。

間合いを取った次の周に、とりあえず本レース初めての全力走行。

「1分0秒673」

(うわっ、やっぱり自己ベスト更新してる)

しかしすぐに前走車に追いついてしまいます。

レース中にみっともないことやっていることは自覚しながらも、

(ごめんなさい、もう1回だけやらせて・・・)

再度間合いをとって全力走行。

「1分0秒617」

レース終盤、ライダーもタイヤもタレてきているこの状態できっちり確実に0秒中盤はたたき出している。

最後の最後でこのライダーを抜くことができたのですが、その直後にチェッカーが振られブービーでレースを終えることになってしまいました。

ちなみにこのレースで5位表彰台を獲得したライダーのレース中のベストラップが1分0秒491、私のレース中のベストタイムから0.1秒ちょっとしか変わらない。

スタートさえ人並みに決まれば、間違いなく表彰台圏内でレースをしていたはずです。

課題は「スタート」と「前走車のパッシング」。

残り少ないレース人生ですが、必ずこの二つの課題を克服して一花咲かせたいと思っています。

・・・NEXT・・・

 

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